占い師リノルナの事件簿@京都ほしよみ堂第37話「ジャンプする」

お店がヒマな日って、
偶然、お店にお客さんがやってきたりする。

予約を取るわけでもなく、
ただ、やってくる。

なかには、電話で空きがあるか確認をする
半分だけ慎重な人もいたりしてね。

「わたし、ここに来たのはいいけど、
 占ってほしいことあんまりなくて」

「そうなんだ。
 占いって、占うことなくても楽しめますよ」

「え? そうなんですか」

「だって、占いってけっこう、物理的なものだから。
 カードを出すと、ちゃんとカードが出るんです。
 おみくじみたいに、やってみる?」

「はい!」

えいや、とカードを一枚、
表に向ける。

「……おお」

二人で、一枚のカードを見つめる。

ぼくは
カードの説明をする。

すごいカードが出たものだ。

「あ、じゃあ。こういうことかな。それともアレのことかな」

お客さんが言葉を紡ぐたびに、
ぼくは追加のカードをつなげていく。

そして、鑑定台の上に
カードの迷路みたいなものが出来上がった。

「こっちを少し進んで、
 今度は、ほらこっちの道にジャンプして行ってみると、
 この『ナニカ』を避けられるみたい。
 道って、べつに一本道じゃないんですよ」

なにも分からなくても、
それは最後まで分からないまま。

占いって、不思議。
それで、ちゃんと占いになる。

「わたし、これからは道から道へ、
 ジャンプして生きて行きます」

お客さんは嬉しそうな顔をして、
お店を出て行った。