占い師リノルナの事件簿@京都ほしよみ堂46話「バディ」

鑑定台の向こうに座った二人組は、双子みたいにそっくりだった。

二人とも一生懸命カルテに記入している。

書くスピード。
記入に迷う項目。

二人ともそっくりで、おもしろいな。
ときどき二人は目配せして、クスクス笑う。

でも、カルテに書かれた生年月日は二人とも違うんだ。

そうか。二人は双子じゃないんだ。

これは、完全同調タイプかと。

……そうなのかな。

でも、まあともかく始めよう。
ぼくも「バディ」モードで占えばいいのかな。

……2と3だと、ちょっと余っちゃうね。

二人は同時に話し出した。

「最近ちょっと疲れてて」
「最近ちょっと疲れてて」

「そうなのですね」
「そうなんだ」

「無理するんですよ」
「ちょっと無理するんですよ」

「無理は、よくありませんな。体調にも、よろしくありません」
「少しなら、大丈夫だよ」

「そんなことないって」
「ないとは言えないけど」

二人はお互いの顔を見合わせて、
クスクスと笑う。

「どちらも、ありそうですね。整理が必要かと」
「でもどっちにしても、その会社、辞めちゃったりしてね」

「どうしたらいいですか」
「どうしたらいいですか」

「仕事量を減らし、休息を増やす。これはどちらにも効きます」
「このままでもいいと思うよ。どうせクビになるか、辞めるかの違いだけ」

「減らしたほうがいいですよね」
「減らさなくてもいいと思ってて」

「まあ、そうなるかと」
「まあ、そうだね。自分で決めない感じ、あなたらしい」

「ちゃんと休みます」
「少し休みます」

「それでいいと思います」
「それでいいと思うよ」

二人とも席に座ったまま、クスクス笑っている。

さて、このあとどうするか。


占い師リノルナの事件簿シリーズ一覧
霊能力者リノルナのお化け退治シリーズ一覧