リノルナのところへは、中国からお客様けっこういらっしゃるのです。
京都観光の目的の一つに入れてくださったり。なかには占いのためだけにいらっしゃるお客様も。

つい先日も、中国・武漢から京都に旅行に来ていた30歳代の女性から予約が入りました。三十三間堂で観音様を眺めているうちに、なぜだか涙が浮かんできて、その場で泣き出してしまったのだとか。

これは占いをして確かめなくては! ということで、その場で、お電話でリノルナに予約を入れて下さったのです。

三十三間堂からほしよみ堂までは徒歩で20分くらい。その日は晴れて、蝉も鳴いていて暑い日だったのですが、彼女がぼくのところにやってきたときには、空は雨模様となり、ついには、土砂降りの雨が降り出しました。

『雨の日に占いをしてはいけないよ』って、よく言われてますけどね。どうして、そんなことをいうんでしょうね。

これはあまり知られていないことなのですが、じつは『場所によりけり』なんですよ。

京都では、雨の日に占いのするのは、とてもいいこと。なぜならば、京都の地においては雨はつねに浄化の力を宿しているから。

そして『浄化の雨』は、ある人々にとって、パワーの源になるのです。

つまり、ある特定の種類の占い師たちにとっては、雨が降ると『つながる力』が最大化するわけです。もちろんリノルナも、そのひとり。

彼女は「四柱推命」か「紫微斗数」か「風水」が好きみたいでしたけど、もともとぼくは西洋占術の専門家です。紫微斗数ならば少し出来ますけど、あいにく、彼女の出生地の「中国・武漢」の座標を出せるアプリをぼくは知りません。

やはりここは、得意の西洋占星術を用いることにしましょう。

ちなみに、ぼくはホロスコープを出すのに『Astro Gold』というアプリを使っています。世界各国の町の名前がほとんどプリセットされていて、簡単に緯度経度を算出できるので、とても便利なんですよ。

翻訳アプリについては、彼女のほうで用意したものを使うことになりました。

「これは、アストロラーベですね・・・・・・!」

タブレットに映し出されたホロスコープを見て、彼女は目を輝かせました。

アストロラーベというのは、古代の天文学者や占星術師が使っていた天体観測用の計算器のこと。

そういう言い方も『古術』という感じで神秘的でいいかもしれない。ぼくの占いに、彼女はすぐに引き込まれていきました。

彼女が数秘術で過去や未来のターニングポイントを割り出し、その年になにがあったか、なにが起こるかをぼくが答えるという感じでセッションが進んでいきました。

(2/3につづく)