1人のプレイヤーから昇進したらその役割は大きく変わります。チームとしての成果を最大化するためにリーダーに求められる要素には心理的安全の警戒や適切な役割分担、明確な目標の共有など、あらゆるものが挙げられます。

個人の力を高める事が大前提。

企業やチームという組織として成果を挙げるにはその組織に属する個々の力を繋げていく事が不可欠です。しかしそれ以前に個人個人がそれぞれの力を一定以上に高めている事が大前提となります。

私が新人だった頃、入社直後の研修で、まず言われた事はチームに甘えることはやめて下さいと言う事でした。それぞれが個として自立しないとプロジェクトの中のある部分に問題が発生しプロジェクト全体が停滞しかねないと言うのです。

チームスポーツにも同じ事が言えます。

いくら仲がいいメンバーが揃っていても個々の能力が平均以下で有ればチームワークのよさによってチームの総合力が平均点くらいにはなることはあるかもしれませんが本当に強いチームにはなれないはずです。

だからこそ、まずは個人が力を高める事が前提となるのです。その上で個々の力を繋げていかなければなりません。

なぜなら個人でやれる事には限界があるからです。

個人が使える体力や時間は、もちろんスキルや知見といった部分にも限界があります。

かつてと比べて今はビジネスの課題が複雑化しているのですからなおさらでしょう。

1人の優秀なリーダーが各メンバーにこれをやれと正解を示して指示をすれば成果に繋がった時代は終わりました。

リーダー1人だけでは太刀打ち出来ない難解な課題に対してはメンバーそれぞれが持つ知見や強みを繋げて対応して行かなければならないです。

部下ばかりに目をむけず、信頼できる上司から学ぶ

そしてリーダーとしてメンバーの力を繋ながるために欠かせないものは、ちょっと昭和的な話になるかもしれませんが。むしろ今も変わらず信頼です。信頼出来ないリーダーのために自分の力を最大限に活かそうと考えてくれるメンバーばいません。

ではメンバーの信頼を勝ち得るためにはなにが必要でしょうか?人によっていろいろな見方があるとおもいますが私は言行一致なのだと考えています。このことは私がまだ若かった頃に師匠と言えるようなマネージャーの姿から学んだ事です。

逆に言行一致で言っている事とやっている事が違うじゃないかと思うような上司に対して憤りの感情や不信感を覚えた経験は多くの人にあるはずです。でも私の師匠はそうではなくまさに真逆の言行一致だったのです。

たとえば、あるプロジェクトの中でここが最重要だというような資料の作成についてはここは私がやりますよ!とマネージャー自らが担当しそのクオリティは完璧と言えるものでした。しかもこういう事が一回、2回あったということではなく信念を持って常に言行一致を貫きかつ仕事の質を高く維持し続けていたのです。

そうした事の蓄積によってついて行きたい多くのお客様からの信頼を得ている姿を目の当たりにすると自然と部下の私も部下の私もマネージャーを信頼しますし、この人について行きたい。この人みたいになりたい。と思うようになりました。

リーダーが部下の信頼を得る事を考える場合どうしても部下との関係ばかりに目がむきがちです。しかし部下の立場からこの人なら信じられると思えるのはどうしてだろう。と考えるのもとても有効ではないでしょうか?

以上

ガラシャ鶴城