映画やドラマになったり、ニュースでも取り上げられたりと、最近は目にする機会が増えてきたLGBTQの存在。

「映画やドラマ、漫画などでは見かけるけれど、実際に自分の周りにはいない」

「滅多にいないから少数派って言われるんでしょ?現に知り合いにそんな人いないよ」

そんな風な意見もよく耳にします。

ですが、あなたが知らないだけで、周りには過去に同性を好きになったことがある人、今同性と交際している人がいます。

あなたの知人や職場の同僚、あなたの隣の席に座っている赤の他人……。意外と近くにLGBTQの人はいるんですよね。

では、どうしてLGBTQの人を見かけないと感じるのでしょうか?

その理由は、LGBTQの人達は自ら名乗り上げることに恐怖を感じて、自分がLGBTQだと隠している人が圧倒的に多いからです。

日本では、代々LGBTQの差別や偏見が語り継がれていて、『LGBTQは異質なもの』という考え方が世間一般にも当事者にも刷り込まれています。

インターネットなど普及で、少しずつ差別や偏見が緩和されてきた印象もありますが、まだまだ根強く残っています。

そのため、当事者は自分がLGBTQなのだと自覚した時に、自分が異質なんだと感じる人が一定数います。そして、よほど勇気のある人、周りに理解者がいる人でないと、周りからの差別などを恐れて口を閉ざしてしまいます。長い間、家族や友人にも相談できずに1人悩み続けている方は少なくありません。

かく言う私もLGBTQのB(バイセクシャル)。自覚した時は愕然としましたし、家族や友人の反応、そして好きになった相手がどう感じるのか、とても悩みました。

周りが同性愛を取り上げたドラマの内容を話す中、部屋から逃げ出したい気持ちになったこともあります。

私の場合、その集まりの中では元々カミングアウトできる雰囲気はなく、年齢層もぐんと上。カミングアウトした後、周りの自分への態度が変わってしまうのかもしれないという恐怖で最後まで黙ったままでした。

そして、悪意がないと理解しているけれど、周りの人たちの言葉に何度も傷つきました。

もしもあなたがLGBTQに関わりのあることについて何か話す機会があるときは、『もしかしたら、当事者の方が近くにいるかもしれない』と思いながら、お話してもらえたらなと思います。

あなたの何気ない一言で、誰かが傷ついているかもしれないと言うことを、どうか胸に留めておいてくださいね。