(前編からの続き)

バイセクシャルの恋愛の難しさを知らない人たちからは悪意がないのがわかっていても、とてもショックで返答に困る言葉を言われることがあります。

「男でも女でもどっちもいけるて好きになれるのって徳だね!付き合ってる人がいようが結婚してようが浮気し放題じゃん。浮気相手のことは友達って言っておけばバレないんだし」

この言葉、相手は大体私を笑わせよう、場を和ませようと言う感じで笑顔で口にされます。

深い意味なんてないのかもしれません。

でも、言われた私からしたら、侮辱以外の何物でもないんですよね。

バイセクシャルな上、極端なほど恋愛対象として相手を見ることができない私にとって、誰かを本気で好きになれること、自分が好きになった人と交際できることは本当に奇跡なんです。

だから交際し始めたら恋人しか見えていませんし、恋人以外からアプローチされても全く関心が向かないし、浮気なんてありえません。

バイセクシャル仲間のリノルナさんも似たようなことを言われた経験があり、「何でそんな風に思われるんだろうってショックだった」「浮気なんてありえない」と話してくれました。

他のバイセクシャルの人を知らないのでももしかしたら例外がいるのかもしれませんが、リノルナさんや私は、番(つがい)になったら必ず相手と添い遂げる狼のようにパートナーに対してとても一途なんです。

大人ですからその場で怒ることはありません。でも、これ以上バイセクは浮気できていいねと言う話題を続けられたくなくて、「いやいや、それはないですよ〜」と流して話題を変えるようにしていますが、内心ズタズタですしうまく笑えなくなります。

めちゃくちゃ傷ついているんですが、こう言うことを言った人のことも私は嫌いになることもありませんし、態度を変えることはありません。

傷つくことを言われても怒ることもできず、笑って流してその場を過ごして、そんなことを言った人のことも好き(LIKE)のままな自分が時々とても嫌になります。

長所であるはずの“誰でも好きでいられること”を後悔しちゃうんですよね。