恋を叶える方法、いろいろあると思うのですけど。ハーブを使った方法は有名でしょうかね。
『スカボロー・フェア』というイギリスの古詩にもありますよね。
「カンブリックのシャツを作れと伝えてくれ、パセリ、セージ、ローズマリーにタイム、縫い目も細かい針仕事もなしで、そうしたら彼女は私の恋人」
みたいな歌詞で以下、あの涸れた井戸でそれを洗え、そこのイバラでそれを乾かせ、1エーカーの土地を見つけろ、羊の角でそこを耕せ、革の鎌でそれを刈れ等々、男女がお互いの愛を試します。
お互いがすべての試みをクリアしたなら、晴れて願掛けが叶い、恋人になれるというわけです。
詠子先生は、ヨーロッパの魔術関連に詳しい感じがありますね。たとえるならば、松村潔より鏡リュウジみたいな。アメリカ的なリノルナに比べると、詠子先生は中世ヨーロッパをイメージさせる古魔術を使いこなしている印象があります。
ともかく詠子先生の魔法のキャンドルの作り方は、コスパを度外視した本格派。ぼくがいったいどうしてそこまで驚いているのか。あなたにもわかるように、その行程の一部分を少しだけ、ぼくが説明してみましょうかね。
魔女術として、キャンドル作りをする。今回は、恋の成就を願ういわば代償としてジャスミン、オレンジ、ゼラニウム等の精油を使用します。つまりこのキャンドル、火を灯すと良い香りがするんですね。
まず【ジャスミンの精油】を【かに座の満月】の夜、しかるべき時間に月明かりに照らします。なぜならば、恋の願掛けをする場合、ジャスミンは月の女神であるリアナに対して聖別する必要があるから。そして月はかに座の支配星ですから、かに座の満月というのは最高レベルの効果が期待できるわけですね。
つぎに【オレンジの精油】を【しし座の満月】の夜、同じように目的に沿って聖別を行います。この場合は恋の成就。いわば、満月のチカラで精油を【交ぜる】という行為を繰り返していく。
さあ、最後の仕上げですよ。プラネタリアワーに従って、【金星】の時間になるのを静かに待ちます。金星の時間になりましたら、聖別した精油を蝋と合わせ、精製していきます。この段階でさらに【ゼラニウムの精油】を聖別する。用途に従い、今回はゼラニウムを金星に捧げ、祈りを加えます。夜が更けるとともに、魔法のキャンドルが出来上がる。
この方法では、同時に精製されるキャンドルは、5個が限界。
そんな貴重なキャンドル。なんと今回、詠子先生の鑑定を受けた方、先着5名様にプレゼントしてくれるそうなんです!
ちょっと待って。
ぼくも、このキャンドルめちゃくちゃ欲しいんですけど。でも、「リノルナ先生はダメです!自分で作ってください!」と詠子先生に怒られてしまいました。ですよねー。(笑)