前回から間が空いてしまいました。
複数を同時作業できる、賢さが欲しい!
あとお昼寝の時間もほしい。
さて、前回は丸形タロットの正逆と、その傾きによる解釈について紹介をしました。
今回はその傾きと正逆を、複数のカードとどのように結び付けていくのかお話したいと思います。
まず、2カードでそれぞれがどんな影響を与えるのか。
その後、複数枚で展開した場合、という風にお話を進めていこうと思います!
2枚のカードと傾き
カードの解説には4種類の関係について解説しています。
あまりきれいな画像ではないのですが、4つのパターンを画像で貼り付けます。
①引寄せられる ②反発しあう ③寄り添いあう ④離れていく
の4つのパターンです。
絵柄として分かりやすいように、今回はコートカードの騎士たちにご出演を頂いました。
私が占いながら感じたことは、並ぶ2つのカードが4パターンのどれに近いのかと、カードの頭が360度のどの方向を向いていているのかを同時に観察する事の大切さです。
パッと絵を見れば、互いが向き合っているのか反発しあっているのか、一目でわかる丸形。だけど、なぜかみ合っていないのか、何を気にしているのかは、それぞれのカードの頭が何処を向いているのかを見てやらないと、具体的な判断になりません。
騎士という性格とアクションがはっきりしているカードを例題にして、見ていきたいと思います!
引寄せられるカード
一見、協力的に見える頭の向きがほぼ一緒のカード。
解説書では、魔術師と女教皇が同じような頭の方向を向けて載せられ、その解説には”焦点のずれを示唆する”と書かれています。
「え?頭同じ方向むいるやん??」と思いました。
だけどカードの解説によれば『焦点のズレ』に注意を促しています。
もう少し細かく二枚のカードを見てみましょう。
ワンドの騎士は、カードの頭が未来の方向を向いています。そして絵の騎士は上の方向を見て、馬もそちらに進んでいる。
真上の位置は、理想や新しい計画を示す方向です。となると、このワンドの騎士は、カードの意味とも相まって、余計に脇目もふらず、自分の計画やアイデアを形にするため、未来を注視している事になります。
カップの騎士はどうでしょう?
カードの頭は斜め左下を指し、顔の方向は上を向いていますが、視線は過去の真横ラインに向いているように見えます。
カップの騎士の頭を占めている、もしくは不安にさせているのは自分の内面の問題と、過去で経験したこと。
並んだ2つのカードは近い方向を向いているので、取り組みたい物や、目標が同じなのかもしれません。カップの騎士の進路にワンドの騎士が見えているようにも見えます。だとすると、カップの騎士にワンドの騎士はどう見えているのでしょうか。
”焦点のズレ”と解説されたのは、なるほど、行く道は同じのように見えて、2つのカードの追い求めているものが違います。
未来を考えたいワンド君と、自分の気持ちと向き合い過去を考えたいカップ君。問題の焦点がずれています。
しかし、引き合うカードとタイトルが付くこの配置は、お互いがお互いの姿から学ぶことが出来る位置です。
私の妄想になりますが、カップの騎士のカードは、ワンドの騎士を見て、自分の過去の姿を振り返ったり、見守ったりしているように見えます。
二枚で目標を揃えながら、違う目的の為に取り組めればどちらにも満足と成果がありそうに感じます。
ただただズレているカードではなく、『お互いを意識してるよ、引き合ってるよ』というニュアンスも持っているんですね。
他のカードに差し替えてみるとどうなるのか。面白そうです。
反発しあうカード
見るからに違う方向を向いていて分かりやすい並びです。
ワンドの騎士はカードの頭が過去を向き、視線は自分の内面世界へ。
カップの騎士はカードの頭がアイデアや希望に向い、視線は未来への道を見ています。
力の向かう方向は右左、上下全て逆を向いています。これでは力はどの方向へも動けなくなりますので、事態は一時中断・休憩を余儀なくされます。
騎士たちは向かいたい方向も気になることも違うので、進むのを一時止めて話し合いをするための時間が必要です。
★余談★
過去を振り返り、自分の気持ちや思いに迷いがあるワンドの騎士は、完全な逆位置でなかったとしても、かなり持ち味の良さが死んでいますよね…
カードの頭が斜めに過去を向きつつ、視線で真下の指す無意識世界を見つめていれば、内面を深く考えるために立ち止まっている感じがします。
ですが完全に真下である逆位置を向くと、無意識の世界に心が沈んだまま困難へチャレンジを開始しようとする図になり、これは暴走暴れ馬。気分次第でやり方を変えて、無計画に突っ走る駄目ナイトの出来上がりです。
こんなふうに、円形に従い向きを細かく読めば、周りのカードの流れから類推していた逆位置で現れる過不足の加減が、1枚のカード単体からもかなり情報を絞れます。ご参考に。
今回の例は各スートの騎士同士で、多少強弱はありますが、比較的力が釣り合っています。
ですが反発しあっているカードに明らかな強弱がついてしまっている事もあります。
大アルカナのカードと反発して小アルカナのカードが出ていたり…
解説書にはこの力関係について書かれてはいませんでしたが、そもそものタロットカードのルールに基づいて判断する方がよいのではないかと考えています。
例えばワンドの騎士に魔術師が、カップの騎士にペンタクルの2が当てはまっていたとします。
どんなにペンタの2が前向きでパランスの取れた行動をとっても、過去方向に真横を向いた魔術師の流れをせき止められる力があるとは考え難い…
大きな星の周りで、小さな星が重力の釣り合う場所で衛星になるように、取り込まれない位置で踏ん張るのが精いっぱい。引きずられるように魔術師の進む方向へ引っ張られている、と考える方が自然ではないかなと思っています。
それは他の3種類の配置にも言える事で、引寄せられる・寄り添う・離れていくそれぞれの場合においても、強い影響力のあるカードに引きずられる感覚があります。
大アルカナは丸形においても”切り札”であることは変わりませんし、コートカード達は特殊な動きを見せます。
全くの私見になりますが、長方形のタロットリーディングと同じく、カードの力関係を理解して丸形ならではの解釈を取り込んでリーディングしていく方法をお勧めします。
寄り添うカード
どちらのカードも上の方にカードの頭が向いていて、お互いに寄り添うような配置。
解説書にはカードが収束すると表現され、カードが互いに強化しあうと説明がついています。
ワンドの騎士は未来へ頭を向け、視線は過去の上方を見ています。
カップの騎士は過去へ傾きエネルギーは過去へ向かっています。その視線は未来をみています。
カードの傾きは過去と未来で逆の時間軸に向いていますが、互いに斜めに寄りかかり、過去への力と未来への力が斜めに交わる焦点に向かって収束しています。
収束していく先は理想とアイデアを示す上方。
この配置だと強化しあう二枚の騎士は、背中を預けあう相棒のようにも思えます。
違う力が合わさって、お互いの性質が際立つ。
目指す終点も同じなので、切磋琢磨することもできそうです。
寄り添って協力していくのか、互いを磨きあうのかはカードの意味によって解釈が分かれるところでしょう。
解説には逆位置方向で収束するものの例が上がっておりません。
真下(逆)の示す、無意識や潜在意識へ向かって収束し、且つ逆位置で悪い意味の目立つカード同士がぶつかれば、心の奥の問題についてお互いに摩擦を起こすことが多くなると想像できます。
けれど、カードの違いについて考え、そこから見つめるべき問題を見付け、チャレンジする力が合わさればマイナスからプラスへ気持ちや行動を変えていくヒントになります。
寄り添う・収束するカードは、強まる力をどのように使うのかがポイントのようです。
離れていくカード
私は『離れていくカード』と書きましたが、解説書を直訳すると、『乖離する』となります。作用として、互いに対立し、弱体化しあうと説明されていますが、これはどうしてか。
カードの向きを確認してみましょう。
ワンドの騎士は12~3時の方向、未来へ向かうエネルギーにカードの頭が来ています。視線も真上の方を見ているよう。
カップの騎士は、3~6時、これから起こる試練やチャレンジに頭が向いています。視線は真下、自分の内面を見つめるように下を向いています。
「あら、チャレンジと未来へのエネルギーだったら、どっちも前向きやん。
なんで弱体化するん?」
ミソはなんで反発しあっているのかというところのようです。
カードの向きにもう少し注目すると、ワンドの騎士は正位置で、カップの騎士は逆位置。
実は前に出ていた3つのパターンに関しては、正位置同士だったり、片方のカードが完全に頭を真横に向けている状態で、正とも逆とも判断し難い配置でした。(解説本ではこの真横は正位置と取ってるようですが)
この乖離しているカードでは、二枚とも正逆がカードの上半分下半分に属している、しっかり正位置と逆位置という違いを持っています。
素直に正逆だけで、二枚のカードの行動を比べてみましょう。
ワンドの騎士は正位置で、情熱的で性急なくらいの行動力。
カップの騎士の逆位置は、タイミングを計って二の足を踏んでいる、注意深い検討が必要な状態。
丸型カードの角度の角度の意味を加味するとどうでしょう。
ワンドの騎士の正位置は、「未来に向かって今こそ飛び題していく時だ!」
カップの騎士の逆位置は、「この先にトラブルの気配がするぞ。用心だ…」
困難に立ち向かい今すぐにでも飛び出したいワンド君と、先に待ち受ける問題の正体が気になり、慎重に事を勧めたいカップ君。どちらも意味は悪くとらなかったとしても、未来に対して取るアクションが真逆ですね。
傾きとしては二枚とも未来を向いていますが、不本意にも遠ざかっている・かけ離れていて、お互いの行動と対立して力を弱めあっています。
反発しあうカードの時はあまりにも正反対の力が働くので、中間地点で一時停止状態になりました。
離れていく・乖離するカードでは、同じ馬車に繋がれているから向いている方向は一緒ながら、違う方向に進もうとする馬のようにお互いの推進力を殺しているようです。
例えばこの二枚が別の正逆・角度だったらどうでしょう。
ワンドの騎士が6時~9時方向に頭、カップの騎士が9時~12方向に頭だったら。
ワンドの騎士はフラストレーションが溜まっているけれど、それが過去の何が原因なのかわかっていないのでどう発散すればいいのかわからない状態。
カップの騎士は過去の経験や知識を、これからの行動や創作の為のインスピレーションに昇華しようとしています。
過去からの刺激を受けたら暴発しそう、もしくはやる気ゼロの駄目男になってしまいそうであまり考えたくないワンド君と、過去からもっともっと学びたくて今までの振り返りに注力したいカップ君。
気になっているのは過去ですが、やっぱりそれぞれのペースが乱されていますね。
離れていく・乖離するカードの課題は、やはり【乖離している】、互いの行動が遠ざかりかけ離れたものであることを、どう克服するかに焦点が当たっているようです。
まとめ
この記事のはじめの辺りにも書いていましたが、二枚のカードの関係性の焦点を見る時、360を4分割したどの方向にカードの頭が向いているのかが重要になります。
ざっくりとでも、円形の重視方向が何をそれぞれ指しているのかは覚えておいて、それからカードを展開することをお勧めします。
ざっくりとした図ですが、私はこんな感じに把握しています。
赤線の傾きの範囲が、12,3、6、9に対しての傾きをどちら側に捉えるかの範囲。2時4時の範囲なら未来、と捉えています。
12時と3時の間、真まんなかは未来に向かって動いていく力が一番前向きに働いている状態なのかなと思っています。
3時と6時の真ん中は逆位置の意味がチャレンジとしてより強現れる…など。
使い手の皆さんがどんなふうにその展開を読んでいかれるのか、そしてそれがどのように現実に現れたのか、実践からデータを集めて頂けたらと思います。
大変長く、とぎれとぎれの更新になりましたが、二枚のカードと傾きについての記事は、これにて区切りとさせて頂きます。
一か月近く、かかっての書き上げになってしまいました~💦
お付き合い・反応をくだっさ皆様ありがとうございます!!
大変励みになりました✨✨
次回はこの二枚での力関係を意識しながら、3枚、4枚…と多枚数展開をしたものを読んでいこうと思います。
スプレッドを組むと、カード達がもっとおしゃべりをはじめます!
次回もお付き合いいただけたら幸いです!